2014年8月26日火曜日

暴力

ほんの少しだけ気温が下がり初めてはいるけれど、今年の夏も暑気あたりが激しかった。
若い頃は暑い夏が大好きだったのに、いつのまにか大嫌いになってしまった。
若い頃は1日の中でも最も暑い午後2時ころ、かんかん照りの表に飛び出していって、激しい日差しを浴びると、なんかこう「生きているう~」といううれしさがこみ上げてきたものだった。
今はもう「死んじゃうう~」になった。

最近はおよそ激しいものがダメになって、怒っていてもはっきり言い返せないとか、なにか理不尽なことが目の前で行われていても、まるでよそ事。
澁谷の駅構内で、男の人が奥さんらしい人を踏みつけて怒鳴っている。
奥さんは足蹴にされて「ごめんなさい、ごめんなさい」と謝っていた。
昔の私ならなにも考えることもなく、その中に割って入ったのに、なんだか現実離れした光景に見えて、ぼんやり、だれか止めてくれないかなあと考えてその場を去ってしまった。
暴力的な光景はあまり見たこともなかったので、本当の事とは思えない。
それにしてもあの男、女性に暴力を振るうなんて、人間とは思えないと今頃になって腹が立つ。
そばに交番があるからおまわりさんがすぐ来るだろうと、なんとなく呑気に考える。
これも感受性の衰えだろうか。

暴力と言えば「1分間だけ」という本を買った。
女主人公はファッション雑誌の編集者、仕事にのめり込んで、自分を見失っていく。
あげく同棲相手も去り、殺処分寸前で引き取った犬との同居生活。
トイレを散歩の時にするように躾けられた犬だったが、ある日仕事の終了時間が延びてしまって、何時間もの間我慢していた犬がついに粗相をしてしまう。
仕事のストレスと恋愛が上手く行かなくなったストレスを犬にぶつけ、手がはれるほど激しく叩いてしまう、と、ここまで読んでもう先は読むのをやめた。
その後のあらすじはわかっている。
Amazonの宣伝に乗せられて買った本だから、そのあとは犬はガンにかかり死んでしまうらしい。
そして主人公は人間として成長していくという、なんとも後味の悪い話らしい。
Amazonのレビューには感動したというコメントが沢山寄せられている。

しかし、我慢しきれず粗相をしてションボリしている犬を、自分の手が腫れ上がるまで叩く、そういう場面を想像できるだけでもう、この作者は私の敵。
私は自分のキャパを超える仕事をこなしてきたけれど、動物に当たることは、したことがない。
どんなに仕事がハードでも、たまさぶろうの面倒は欠かさない。
どうしてもダメなときには、獣医さんにお願いする。

あるとき旅の仕事に慌てて出かける寸前、飛行機までの時間がないのに、ガラス製のランプシェードを割られた事があった。
他の物ならほっとけば良いが、ガラスだから危険でかたづけないワケにはいかない。泣きたいくらいだった。
それでも猫を叩いたりはしない。
猫は放っておかれると気を引くために、布団にわざと粗相することもある。
それでも叱っても、叩きはしない。
こちらが忙しい時に限って、なにかしでかしてくれる。
複数飼いだから、もう壮大な散らかし、吐いたりトイレの外におしっこをしたり。
それでも叩けない。
人だったら叩くかもしれない。
けれど、自分を頼ってくる動物は叩けない。
まして動物を飼うことを自分自身の成長のためだとか、ふざけた考えはしない。
これが映画になって皆さん感動したらしい。
さっきふと思い出して書き始め、作者の名前を書こうとおもっても思い出せない。
本を探したけれど、滅多に本を捨てる事をしない私が、どうやらすててしまったらしい。
たぶん怒りを込めてゴミ箱に放り込んだと思われる。

仕事が本当に好きなら、どんなことも我慢出来るというのが私の持論。
それともそう考える事が出来るほど、幸運な仕事に恵まれているということなのか。
ストレスははんぱでないけれど、いつも仕事が出来る事に感謝している。

















4 件のコメント:

  1. えっ、そんなひどい主人公だったの? すみません、そんな本をnekotamaさんに読ませることになってしまって。 m(_ _)m
    nekotamaさんもそうですが、普通に動物を愛する人は、どんなに恵まれないときでも動物にあたるようなことしませんよ。これはこの作家と、こんな本がいいと思う編集者の人間性の問題ですね。

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  2. あ、nyarcilさまのブログでのご紹介でしたね。
    いえいえ、読んでみないとわからないものです。
    私も、犬を叩く場面で読むのをやめたから、後は本当に感動的だったかもしれません。
    感動絶賛のコメントが沢山ありましたから。でも私はゆるさない!

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  3. 私も許さない!  (`・ω・´ )
    感動絶賛のコメントなんてどうせ出版社の仕込んだやらせですよ。
    それにしても、なんて時間に書いているんですか。大丈夫ですか。

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  4. ふえっ!ほんとだ。書いた時間まで出てる。
    早起きなのか、遅寝だったのか忘れたけれど、
    時々時間のことを忘れます。
    こんなことしているから、大風邪ひくんだわ。

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