2014年12月3日水曜日

生徒と一緒に

6才から6年間教えた子が、大学院生となった。
合格発表があって、その報告に来てくれた。
小さい頃からのんびり屋さんで感情が外に出てこないから、先生を変わる毎にどの先生からも「もっと自分の気持ちを表現するように」と言われ続けていた。
どうやら表現しようにも激情タイプではないので、内面に濃い感情の持ち合わせがないらしい。
テクニックはもう心配ないとロンドンアンサンブルのタマ-シュ・アンドラ-シュからも太鼓判を押してもらったのだけれど、やはり彼からもどう弾きたいのか訊かれていた。

子供の頃は私の家で伸び伸びと、音楽の楽しさを身につけた。
アンサンブルも沢山弾いて、楽しくて仕方がない時期だった。
出来るだけ小さいうちに基礎をつけてしまおうというので、カール・フレッシュの音階教本を早くから始めたから、3度の音階なども平然として弾きこなす。
そして彼女の一番の長所は、人の動きに感応できるということ。
早くから初見でバリバリとアンサンブルを弾かせたので、初見が利くのと他の人の動きに敏感に反応できる。
彼女自身はあまり感情の起伏がないけれど、人の気持ちに寄り添うことができるから、こちらから仕掛ければ結構のってくる。
本人はオーケストラを希望していたのだが、今は空きが少なく、一つ席が空くと4,50人の応募者があるらしい。
私は、彼女は本当にオーケストラのトゥッティー(トップ以外のいわゆる兵隊さん)向きだと思っているけれど空きがなくては入れない。
はみ出さず、音程も良い、初見は利く、皆の動きに合わせられるなど、優れたオケマンになれる要素を沢山持っている。

私は、先日聞いたモーツアルトの「ディヴェルティメント17番」を元気で弾けるうちに、コンサートにかけたいと思っていた。
10年前、節目のコンサートで弾いた曲をもう一度。
以前から構想を練っていたのだが、今年はなにかと体調がすぐれず先送りとなっていた。
生徒が育って一緒に弾けたらいいと思っていたけれど、そこまで自分が弾いていられるかどうか自信がなかった。
来年、私がまだ弾けるようなら、彼女に相棒をつとめてもらおうと思っている。
私よりもテクニックがあるから、追いかけられるかも。
あんな小さかった子がすくすく育って、一緒のステージで弾けるなら本当に嬉しい。
夢がかないますように。
「あんな下手な先生についていたの」と周りから言われて彼女が恥をかかないように、がんばらないと。
もし実現したら・・・
彼女はとても背が高いスラッとしたお嬢さん。
私と身長の差がありすぎてアンバランスだから、私はステージに登場するときに、竹馬に乗って出て行かないと釣り合いがとれない。
ヴァイオリンよりも、竹馬の練習をしないといけないかも。
















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