もう一度宣伝ですが、今回私はヴィヴァルディ「海の嵐」のソロを受け持ちます。
テンポの速い爽快な曲です。
誰ですか「そうかい」なんて言った人は。
こういう軽口は育ちの悪い証拠で、私の両親兄弟みんな巫山戯すぎる人達だった。
家庭内では真面目なことを言うとからかわれたものでした。
それで社会に出たとき大分苦労しました。そりゃそうだ、初対面の人にまで冗談言って笑いを取ろうとしていたので、相手を怒らせることも多々あって。
落語が好きで、幼少の頃から聞きまくっていて、そのせいでダジャレはヴァイオリンよりも得意。
だれがそんなヤツの演奏聴くかなんておっしゃらずに、怖い物聞きたさに寄席に・・・ではない、文化会館にお越し頂ければ幸いに存じます。
かつて「The Victory of Human Voice」(題名はうろ覚えですが)というレコードがあった。
それはミセス.ジェンキンスという大富豪の奥さんが歌ったもので、彼女はひどい音痴なのに無類の歌好き。
その音痴の度合いはもう人間離れしているにも関わらず、お金にものを言わせてカーネギーホールでリサイタルを決行。
お客さんはその音痴っぷりに度肝をぬかれて、笑い出したいところだが、何と言っても大富豪夫人なのでそうもいかない。
かくして休憩時間のトイレは爆笑のうずが巻き起こったという。
しかし、夫人のあまりの一生懸命さに心うたれて次第に人気が出てきて、それがレコードになると爆発的に売れたそうなのだ。
私もテープが回ってきたので聴いたことがあるけれど、初めは笑い転げていたが、そのうちなにかジーンときてしまった。
夫人の歌のせいで社会的なダメージを受けたといって夫から離婚されたが、その莫大な慰謝料でなおも歌い続けた。
そのテープを聴いたときは、伴奏者のあまりの上手さに感心した。
どんなに転んでも外れてもピタっとつけていく。
特に鳥の声のまねをするところで、フルートの伴奏者がどんなにジェンキンス夫人がめちゃくちゃでも、ものの見事に付けてしかも吹き出さずに吹く(パラドックスみたいだけど)これは賞賛に値する。
私もトイレに爆笑を巻き起こさないように頑張ります。
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