2014年9月30日火曜日

突然の訃報

昨日ベッドに横になって携帯のメールのチェックをしたら、友人のご主人の訃報が入っていた。
ビックリして飛び起きて、もう日付が変わっていたけれど、詳細を訊くためにメールの送信者に電話をした。
連絡が上手くいかず、私に連絡があったのは前日の21時ころ。
メールに気がついたのは今日の0時すぎ。
すでにお通夜は過ぎていて、今日お葬式だそうだ。

慌てて喪服を引っ張り出すと、クローゼットで遊ぶねこのお陰で、ワンピースの肩が穴だらけ。
それでも上着を着てしまえば、それは隠れる。
今日は良いお天気で気温も高く、でも肩の穴のお陰で上着が脱げないのはつらい。

そして靴やハンドバッグ一式、お香典など慌ただしく用意した。
いつものことだけれど、黒い服には猫の毛がついていて、これの除去にたいそう時間がかかる。
ようやく毛を取り除いていざ出かけようという段になると、忘れ物を思い出す。
部屋にとって返して用が済んで出かけようとすると、もう、ねこの毛が付着している。
それを又取るのにイライラして、やっと表へ出ると、部屋の中では分からなかったような毛が、日差しの中では良く見える。
そのへんになると諦めてしまうけれど、只でさえ目が悪くて細かいことは見えないのだから、目の良い他人から見たらまだ沢山見えるかも知れない。

お葬式は大勢の人がみえていて、亡くなった方はトローンボーン奏者だったので、金管アンサンブルの演奏もあった。
演奏で死を悼むのは、天国にとても近いように感じる。
奥様は私の古くからの仕事仲間で、しっかりとご挨拶をしていたけれど、さすがにお終いの方では声が震え、嗚咽が漏れそうになるのを堪えているのが、皆の涙を誘った。
故人は15年前に心臓の手術をして、その時に医師からトロンボーンを吹くのは命と引き換えだと言われたのにも拘わらず、今月の15日までしっかりと吹き続けていたという。
そして23日に亡くなられた。
まさに生涯現役だった。
しかし、まだ若い、亡くなるには早すぎた。
先天的な心臓の疾病があったそうな。
それでも、トローンボーンのような大きくて大変な楽器を選んだのは、命と引き換えても良いくらい魅力があったのだろう。
フリーで様々な音楽活動、企画、マネージメントもこなし、演奏家としても立派に最後を全うし、言うことなしの生き様だった。

帰り道一緒に参列した音楽仲間たちと、食事をした。
去年の11月にご主人をなくした友人の話。

ご主人が最後の息を引き取る時に「面白かったわ。ありがとう」と話しかけたという。
音楽家の不安定な生活や重労働に耐えていけるのは、とにかく面白いから。
楽器の演奏はいつまでも完璧にはならないから、生涯を通じて勉強だし、知れば知るほど音楽は奥が深くなっていく。
分け入ってもまだ先がある。
こんな面白いことを生涯を終るまで出来るのは、本当に幸せな事だと思っている。
最近は仕事をリタイアした音楽家たちが、本腰を入れて勉強をし直すのを、目の当たりにする。
私はなまけもので、早くリタイアしたいともう10年ほど前から言い続けている。
それでもやめられないだろうな。
やめてなにするの?と訊かれると、うーん、ヴァイオリンでも弾くか・・・だったりした。




















0 件のコメント:

コメントを投稿