2010年3月11日木曜日

安野 光雅その2       童話屋社

安野さんの絵を初めて実際に見たのはだいぶ前になるけれど、中国の風景画展でした。感心したのは薄く色付けされているのに、それがなんの素材で出来ているものか、と言うことがわかるのです。土の壁だったり、レンガだったり、それはプロだから当たり前というかもしれないけれど、肌理の荒さやデコボコした感じが淡色で塗ってあるのに、どうしてここまで表現できるのか不思議でした。そして、えも言われぬ懐かしさ、自分が子供の頃に目にしていたような、田園風景。すっかり魅了されて、それ以来大ファンになりました。私が好きなのは数学者の森 毅さんの著書「数学博物誌」の挿絵です。森さんの安野さん評。「日本の数楽者。その絵筆をもって、数学を切り裂き、数学趣味に火をつけた。風呂に入ったときは、ただ陶然として、裸で走りだすような、はしたないことはしない。」  森さんの軽妙な文章と相まって、楽しい本です。一読お勧めです。ただ、時々というより、しばしば、理解できないのが残念ですが。数学もちゃんとわかれば、面白いのでしょうね。中学生レベルからやりなおしてみたいと、時々思います。

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