2010年3月12日金曜日

奇跡の脳           竹内薫訳 (新潮社)

著者はジル・ボルト・テイラー 脳解剖学者。37歳で脳卒中になり、自分の脳が機能を失って行くさまを見つめ、そこからの生還を記録したものです。インディアナ大学で博士号をとり、ハーバード大学の研究員となり、その後ボストンのマックリーン病院で研究員として・・・こんな経歴を見たら、超エリート、とんでもなく近寄りがたい存在。     彼女の兄は統合失調症で、脳科学者になろうと思ったのも、そのためでした。脳卒中の発症のさなかに、彼女はかんがえます。「脳科学者が内側からその機能の失われていくさまを、研究できるなんて、なんてすごいことなの。」一人暮らしの彼女が、大半の機能が失われている脳をフル活動させて、助けを求める場面もすごい。その後の母親とのリハビリ、そして平安を得るまでの努力。こんなことを言っています。「挑戦して、挑戦して、又挑戦しなくてはなりませんが、1000回やってもなんの結果も得られないかもしれない。それでも、挑戦しなかったら、なにも始まりません。」ずば抜けた頭脳と驚くべき行動力。言葉や色の一つ一つjから学びなおさなくてはならなかった彼女が、現在インディアナ大学で教鞭をとり研究をしているのです。心に沁みる言葉を引用します。           「左脳マインドを失った経験から、深い安らぎは、右脳にある神経上の回路から生じるものだと信じます。この回路はいつでも機能しており、いつでもつなげることができます。・・・・・・・内なる安らぎを体験するための第一歩は、まさに「いま、ここに」いる、と言う気になることです。」          最近のおすすめナンバーワンの本です。

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