2013年1月18日金曜日

ランチのお誘い

去年暮れにロンドンアンサンブルのホームコンサートを開いてくださったY邸にお招きを受けて出かけた。ここは南青山のすてきなマンションの一室。リビングルームは先日も45人もの人がコンサートを聴きながらお食事が出来、まだゆとりがあるほどの広さ。家具やピアノが同じ色調で統一されて、都会の喧噪を全く感じない静けさ。部屋の主U子さんが手料理で歓待してくださった。はじめはプチトマトのピクルスの冷製。ほんのり甘みのあるお酢が柔らかくトマトを包み込んで、ほどの良い酸味と甘さが絶妙。簡単なんですよとおっしゃるが、調味料の配合が決めてなだけに、センスの良さを感じる。次はチーズとハムが品良く盛りつけられた小皿。カリカリに焼いたフランスパンと一緒にいただく。バルサミコ酢のドレッシングのサラダの後はメインのハヤシライス。おいしいお漬け物が添えられている。牛肉にこだわりがあって、一度作ったものの肉の味が気に入らず、別の肉に変えたというこだわりよう。なんでもとことんきちんとしないと気が済まないU子さんらしい。デザートは彼女のお得意の虎屋の羊羹を水ようかんに変身させた一品。羊羹を煮て冷やしたもので、虎屋の羊羹のあまりにもずしりと重たい感じから、すっかりさわやかな水ようかんができあがって、満腹のお腹にもつるりと入る。そしてもう一つ、レモンケーキプデイング、アイスクリーム添え。レモンは皮も果実も全部使う。卵、ミルク、小麦粉などを混ぜて下半分だけ湯煎しながらオーブンで焼くと、上の方は焼けてケーキになり下半分はプデイングになるのだそうだ。客はロンドンアンサンブルの残留組の美智子・リチャード夫妻、お二人の送別をかねてのU子さんの心づくし。それにヴィオラのFUMIKOさんと私。リチャードは日本語は不自由、私は英語が不自由。それでも会話は弾む。結局4時間近く居座ってしまった。その後の騒動は私の新しいブーツ。出かけるときによその家を訪問するのだから着脱が不自由なブーツはやめてパンプスを履いて出かけた。ところが今日の寒さは厳しく、足下から冷気が上がってくる。これは大変、足から風邪を引いてはいけないと、今、バーゲン真っ盛りの渋谷でブーツを買って履き替えたものの、U子さんのお宅の玄関で脱ごうと思ったらきつくて脱げない。FUMIKOさんが手伝って脱がせようと引っ張る。足を引っ張られた私はズルズルと玄関先でいすから引きずり下ろされて、寝転んだ状態になってしまった。中から出てきた人たちは驚いて、話の顛末に大笑い。そんな大騒動から始まったランチはことの他おいしかった。ブーツをやっと履いてお別れをして夜の町に出てきたら、もう寒気ははそれほどでもなくなっていた。お腹がいっぱいなせいなのか、弾んだ気持ちのせいなのか、無理してブーツを買わなくても良かったかも。

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