2013年1月8日火曜日

野生の勘をあてずっぽうとは!

私は勘がいい。野生の勘を持っている。おほん!初対面でほとんどその人のことが見抜ける。それはいっさいのラベルをはぎ取って直接その人となりを見てしまうから。どんなにブランド物を着ていようが、どこかのお偉いさんの肩書きを持っていようが、一切気にしないでその人の芯に迫って見ることが出来る。今から十数年前、占い師の言うことを信じた友人が私に連絡してきた。「もうすぐこの世の終わりがやってくるから、そのときに助かるように、ある人に会ってみないか」と。その人は大変な力を持っていて、この世の終わりに助かる方法を教えてくれるのだそうだ。そりゃ、すごい!ぜひ教わりたい。でも、この世が終わって自分だけ助かってしまったら、後、困るだろうな。お米を作る人も電気を起こす人もいなくなって、自分だけで生きていくなんて絶対出来るわけないのに。どうしてその人は皆に教えないのだろうか。まあいいわ、おもしろそうだから行ってみよう。というわけでのこのこと野次馬は友人宅に出かけた。そこには異様な祭壇が設えられていて、布袋様のように太った神様が笑っている。まあ、ずいぶんおおらかな神様だこと。そして件の占い師登場。髪はチリチリ、太ったおばさんだった。私の勘では全くなんの力も持ち合わせていない。ああ、もう、全くどうしてこんな人の言うことを信じるのかしら。きまじめな友人は心底信じているらしい。深々と頭を下げている。ここで騒いでも仕方がないから、同じように振る舞っていたが、ばかばかしくて思わず占い師の顔をじっと見つめたら、彼女は私の視線に耐えられずふっと目をそらしてしまった。その後この世はいまだ健在で、友人は何事もなくコンサートをしていて、会場にはその占い師も来ていた。この世はどうして終わらなかったのかなあ。時々私の勘がいいことをおちょくる人がいる。私が自分で「野生の勘がある」なんて言うけど、あてずっぽうなんだからと。でも、その人に初めて会ったときに私の勘が言った。「こんな頭のいい人見たことない。この人を逃す手はないぞ」その勘が当たったおかげで私は今、たいそう楽をしている。どう、あてずっぽうじゃないでしょう?

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