基礎練習をしながらばんやりと窓の外を見ていたら、桜並木の川向うにチラッと白と紫の花が咲いているのが見えた。窓際に近よって見下ろして独り言「ああ、はくさいだわ。きれい」ん?はくさい?あ、そうそう、紫陽花でした。最近ものの名前をよく間違える。忘れる。キーボードの打ち間違えが多くなった。よそのブログにコメントして後で読み返すと、とんでもない変換のまま送信していたり。このブログは後で気がつけばミスをみつけ次第直すこともできるけれど、人様のものだとそうはいかない。読み返してアイタッー!となることもよくある。おっちょこちょい、せっかち、大雑把、性格がこうだから世の中のリーダーにはなれない。そのかわりやさしい人たちが寄ってきて面倒をみてもらえる。こう書いてきて途中ちょっとよそのサイトへ行ったら、最近のネットは恐ろしいもので、即広告が出た。それは知的栄養素に関するもので、知的な活動のための栄養素としてオメガ脂肪酸というものがあって、それは年齢とともに不足し、体の中で作られにくくなっていくのだそうで、だからサプリメントを飲めという広告だった。よけいなお世話。人間古くなったらボンヤリしてくるのはあたりまえ。ボンヤリしてこないとやたらにものが見えて辛いことになる。私の母が最後まではっきりしていて可哀想だったから、私は大いにボンヤリしようと思っている。人間だけでなく何でも天然物は劣化してくると思いきや、それがないのがヴァイオリン。私の楽器ももう三百年近く生きているのに、矍鑠としている。木が乾燥しているから軽いけれど、性格はきついから毎日格闘している。自分が死んでもこの楽器は次の世代に受け継いでもらうために、とても大事にしている。この次の持ち主が大事にしてくれるといいのだが。ネットで覚えた言葉はご主人様としもべ。これは猫に関することで、もちろんご主人様は猫、しもべは飼い主。お世話をさせていただくらしい。その点ヴァイオリンと私もそんな関係で、私を食肉として売った場合(脂だけだから売れないかも)ヴァイオリンの方が明らかに価値があるから、私は時にご主人となって言うことを聞いてもらえることもあるけれど、ほとんどの場合しもべとなって楽器にお願いして鳴っていただくことになる。私は決して高望みしない性格だけど、もう少し音をどうにかしようと毎日ガタガタしている。先日筋トレに出かけたらトレーナーに「ヴァイオリンはどのくらい弾くのですか、週一回くらい?」と聞かれた。そのくらいで仕事が出来るならこんな楽なことはない。週1の練習でいいとなると、ほかにすることが無くて退屈で死にそうになるから、毎日課題があってよかったと思っている。
ことだもの。
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