nekotama記
コメントを頂いて、このように他人のものを勝手に転載すると、著作権の侵害にあたるというご指摘でした。
これからもっといろいろなエピソードをと思ったのでこまりましたが、この原稿はそもそも山田さんが大学などで講演なさるときに使ったものですので、そのへんも著作権の侵害になるのかどうか。
山田さんにはご了解いただいておりますが、そんな難しいこととはつゆしらず。
困りましたが私も途中まででやめられないので、一部抜粋ということで、いかせていただきます。
佐々木 何歳から何歳までそのような訓練をされていたのでしょうか。
山田 今はもう常識なんですけど、その頃は何歳くらいから教えた方がいいかってのがまだ全然試行錯誤だったんです。
それで私は最年少だったんですね。
あとはみんな小学校の3年生とか4年生っていうひと達が何人もいたんです。
初歩的なところってのはみんな同じように覚えるんですけど、小学校3年生4年生になるとね、少し経つと忘れちゃうんです。
ところが3歳半から4歳くらいからはじめたひとっていうのは忘れない。
ちょうど言葉を覚えるのと音を覚えるのっていうのは同じ器官なんだそうです。
これはなんかの新聞に出ていましたけど、音感を獲得するっていうのは1回獲得すると、脳神経のある部分の接続ができちゃう。
それが出来ないと、その時は覚えるけど、すぐ忘れてしまう。
それが早いうちに言葉を覚える時期に同じように音感を勉強すると、それがつながったままだから、何歳になっても全く問題ない。
佐々木 私たちが歩いていたり話したりするのを無意識にできる、というのと同じですよね。
山田 そうです。だから結局こういう風に(グラスをスプーンでたたく音)これだとドレミ、鍵盤の音のミと半音下の中間ぐらい、っていう風に聞こえて。
それからこれ(コーヒーカップをたたく音)はラの音とかね。
それが、じゃあそういうふうに聞こえたら非常に煩わしいでしょうって言うけど、そうじゃないんですね。
あの雑踏でみんながしゃべっているのは全く意識しないで聞こえているけど、何しゃべっているかは全然気にならない。
それと同じで、聞けばわかるけど、普通は何の音っていうのは別に意識しない。それは言葉と音感で同じです。
だから便利なようで不便な面もあるわけですよ。
私がそういう訓練を受けたのが1934年か35年ですよね。
31年生れですから。
その戦争以前我々が習った頃は、世界の標準のドレミファソラシドのラの音っていうのは、435ヘルツだったんです。戦争が終りまして、その時に世界的な標準ピッチといいまして、ラの音が440ヘルツに決められたんです。時報でボーンっていいますよね。それが440ヘルツ。35と40っていうのは半音の16分の1くらいの差なんだけれども、それが435で入ってますから、40になると高く聞こえちゃうわけです。
その違和感を、チャンネルを切り替えるのに練習しかないわけです。
だから、それはずいぶん苦労しました。
16分の1くらいですからね。
佐々木 本当に細かいですよね。その細かさはどの程度のものなのでしょうか。
山田 今日は持ってこなかったですけどね、440の音叉がありますよね。
それと435の音叉。それを比べて聞いて頂くわけなんですが、ブーっと共鳴しますから、で、それをこうやって聞かせて、こっちが35で40って聞いて頂くと「ああ、やっぱりこっちの方が低いように感じますね」っていうくらいの差ですね。
それが分からない人も3分の1くらいいますね。「同じじゃないの」って。ははは。
そういうくらいのもんですが、それがわかんなきゃこの仕事はできませんから。
佐々木 もちろん小学校3年生4年生でも訓練すれば音感がつくのだとは思いますが、今調律師になるために訓練することはないですよね。
山田 あっそれはね、調律師とは関係ないんです。
音感はね、かえってないほうがいいんです。
nekotamaの最も興味ある部分にこの後から入っていきます。
それは次回
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