2014年1月6日月曜日

オーナーは山岳ガイド

2日目の午前中はかなりの降雪と風が吹いて、条件が良くないと決してやる気の出ない私は部屋でノラリクラリ。
気温が高めらしくガスっている。
こんな日には気分が悪くなるからゲレンデには出ないと決めたものの、午後になるとやはり少しだけ滑ってこようと出かけた。
熊ノ湯ゲレンデまで車で送ってもらい、1人で滑り始めた。
他の人達は勤勉だから朝からでかけているし、どこにいるかもわからない。
熊ノ湯ゲレンデのリフトの途中駅でさえガスっていて、初めのうちは視界2,3メートル。
少し下ればガスは消えるけれど、見えないというのは怖い。
なだらかな初心者用のゲレンデなので危険ではないけれど、慎重にしないと他人とぶつかりかねない。
1人だから自分のペースでいくと、たぶん1時間半で10本。
それだけ滑ったら帰ることにして、7本目まで滑り終えたところでトイレ休憩。
ひょっとしてと思って上のレストランを覗くと、いたいた、仲間達が私を見つけるとと嬉しそうに『新雪』と叫んでいる。
なにかと思ったら全く人が踏んでいない新雪を見つけて滑っていたらしい。
それで後の3本は新雪を一緒に滑ってもらう事にした。
リフトの脇の木立の中に入ると、人のいない静かな空間が広がっていた。
雪は滑らかでホイップクリームの上を滑るように板が走る。
これは素晴らしい!
4人の美女(ゴーグル、マスクをはずさなければ)は音も無く滑った。
夕飯が終ってまったりとロビーでコーヒーを飲んでいると、お正月の間ホテルを手伝っているという男性が私たちのところへやってきた。
今日BS放送にここのオーナーが出ますので、ご覧下さいと言う。
何だろうと思ったらスキーヤーの三浦豪太さんと、欽ちゃん野球チームで只1人の女性選手だった片岡安祐美さんと、このホテルの新オーナーで山岳ガイドの大雲芳樹さんが3人で志賀高原の雪山を登り、ご来光を見るという企画らしい。
9時になるとホテルマン全員と私たちが集まってテレビの前に座った。
志賀高原の山々を美しく映し出すシーンから始まった。
神々しい雪山も、登る人にとっては危険で大変に体力の消耗するもので、標高も高いから呼吸も乱れやすい。
それなのに女性ながら野球の監督として話題になった片岡さんは音をあげることも無く嬉しそうに上っていく。
ガイドの大雲さんも終始にこやかに適切なアドバイスをしながら、力強く歩く。
三浦豪太さんは世界の峰々を踏破しているから、易々と歩いているように見える。
片岡さんは雪山は全く初めてと言うので、たぶん非常に辛かった思うのに、絶対に弱音を吐かないのには感心した。
勿論野球で鍛えた足腰は男性並みだと思うけれど、キリッとした表情は最後まで変わらなかった。
目的のご来光も、大雲さんは「本当に100%ダメだと思っていました」と言う。
ところが奇跡が起きて、素晴らしいご来光を見られる結末には本当に感動した。
片岡さんの強い意志が太陽を呼び寄せたようだ。
それにしても、いつもこの様な映像を見て感心するのはカメラマンのことで、重い機材を持って一緒に登って居るのだと思うと、登山家以上の苦労もあると思う。
聞けば大雲さんは元は志賀高原の人ではなく、銀座でサラリーマンをやっていたそうだ。
以前も家族的で良い雰囲気だったけれど、新しい石ノ湯ホテルの雰囲気はすっかりキビキビしたものに変わって、これからも行くのが楽しみになってきた。
ホテル全体が喜んでいるように見える。私もうれしい。












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