2010年5月25日火曜日

ハトカン(鳩寛)さん。その1

沖縄から手紙がきた。差出人は鳩山寛氏。かつての東京交響楽団のコンサートマスターで、只今おん年87歳。新聞の切り抜きが同封されていた。最近の沖縄の文化についての記事に、懐かしい写真が掲載されていて、感慨深いものがあった。去年仕事で沖縄の名護に行った時、連絡すると、那覇空港に奥様が出迎えてくださった。モノレールで市役所近くのお宅にお邪魔して、ほんのひと時だったけれどお話をして、ご健在を確認してきた。玄関を入るとヴァイオリンの早いパッセージが聞こえてきた。全く指は衰えていない。ただ、足がだいぶ不自由だとのことで、身軽にどこへでも出かける方だったので、お気の毒ではあるけれど、ヴァイオリン弾きは指が動くことがなによりなので、それはそれでお幸せなのではないかと思う。その日は名護に行かなければならないので、バスの時間に合わせて退去したけれど、その後どうしていらっしゃるかなあと思っていたところ、お元気な便りうれしく拝見した。私がオーケストラの入団テストを受けた翌日、まだ合否も分からずオズオズと顔をだすと、まず、鳩山さんから声をかけられた。「いい音だったねえ。楽器はなに?」それで、もしかしたら受かったのかなあ、その次にもう一人のコンマスからも声をかけられて、「とても良いベートーヴェンだったね。」これでやっと安心。それが苦労の始まりとも知らず、大喜びをした。鳩山さんはなにかにつけて目をかけてくださった。当時ハイドンの弦楽四重奏の連続演奏をなさっていて、そこにも参加。そのほかのコンサートにはいつも声をかけていただいた。ところが、オーケストラのメンバーには室内楽の演奏を快く思わない人もいて、当時のインスペクターにはずいぶん意地悪をされたけれど、もともと好きな道、めげずにやっていて、その頃の室内楽仲間にはいまだにお世話になっている。いまだに一緒にやろうと声がかかるのがうれしい。

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