2010年5月25日火曜日

ハトカンさん。その2

鳩山さんは天才少年で、若くしてオーケストラのコンマスになり、タングルウッド音楽祭でミルシュテインなどと参加。とてもドライな考え方はアメリカ仕込み。よくいえば個人主義的なところが、オーケストラのメンバーからとやかく言われることが多かった。ただ、私とは非常にウマが合うというか、大変可愛がっていただいた。一緒に弾いていると、ああ、なるほど、こうやって弾くものなのか、と、大変勉強になった。布袋様みたいなお腹で、かまわない服装で、安そうなヴァイオリンケースをかかえて、およそコンマスらしからぬ風貌に、見る目のない人たちは馬鹿にした態度をとったけれど、私は尊敬していたので、喜んでコンサートに参加していた。どれだけ演奏したか、もう分からないくらいの回数で、そこで、今の私の基礎が築かれたといっても良いくらい。オーケストラでオペラを弾くときなどは、曲の合間に「ここは今、こんな場面なんだよ」と解説してくださる。飾り気のない性格があだとなって、鼻であしらう人もいたけれど、それなら貴方同じようにやってごらん、と、言ったらできる人はいないと思う。わたしにとっては、大恩人なのです。ところで、鳩山家の引越しにまつわる猫のお話。東京から那覇に転居のため、家に引越し屋さんが来て荷物をまとめている内に、2匹いた飼い猫の1匹が見えなくなってしまった。数日探し回ってあきらめて那覇へついた。新居に着いても荷解きはなかなか出来ない。でも、何かが必要でさがしていると、かすかに猫の声がする。つれてきたもう1匹の猫だと思っていたら、その猫は他の部屋にいる。エッと思って声のする荷物を解いたら、なんと、いなくなった猫がそこに蹲っていた。引越しやさんが恐くて、其処に潜んでいたらしい。奇跡の猫としてニュースにもとりあげられたそうな。基地問題で揺れる沖縄にも、のどかな生活が垣間見られる。

3 件のコメント:

  1. クリオネ姫2010年5月26日 22:33

    可哀想に、一週間くらい箱詰めだったのかなぁ。猫ってそうなんだよね~
    我が妹のらんらんも、実家の庭の掘建て小屋を建築中に床下に潜ったまま床板張られちゃったんだって。すぐ気づいたから良かったようなものの・・・

    そういえばずーっと何年も前に、旅費がないからダンボールに入って宅配便で送ってもらおうと思った人がいてニュースになってたような気がするけど。

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  2. 初めて聞いたけどそのダンボール男(女?)はどんな扱いされるか考えなかったのかな。
    どかどか投げられて骨折して、治療費のほうが高かったりして。

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  3. 初めまして。
    鳩山寛の孫です。
    たまたま、祖父を調べていたら、ここにたどり着きました。
    こうやって、祖父のことを思ってくれる人がいて、何だかうれしくなりました。

    引っ越しの時にタンスの中にいた猫は今でも元気ですよ~!
    私も当時、ビックリしましたよ・・
    1週間ほど暗いタンスの中で、水もない場所で、よく生きていたなぁと。
    ハイネちゃん、あっぱれです☆

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