2010年5月2日日曜日

カラスの愛情

不順な気候が続いていたし、ちょっと山に行っていたから、気が付けば緑濃い皐月。朝の散歩で、この頃、奥さんカラスしかお目にかからない。夫はどうしているのだろう。今朝も一人でぽつんと待っていた。しばらく、お話しをする。そこへ、カラスフリークその2が来て、今、一羽は卵を抱いているのでこないのだと言う。納得。その内子連れで会いにきてほしい。       私の母は酉年だったから、6人の子供を羽の下に抱え込むようにして、育ててくれた。やさしいというよりキツイ人だったけれど、いつも子供たちのことばかり考えていて、自分は後回し。よく、私たちはそれで母を叱った。「自分の事を一番にしたら」と言って。でも、食べ物も着るものも自分は最後。亡くなってから形見わけの時、着物も装身具も質素なものばかりで、皆涙した。その母は、どちらかと言うと不細工な私がコンプレックスを持たないように、いつも私を可愛いと言ってくれた。たとえばこんな事。「そんな風に低い鼻は家庭に入ると、うまくいくんだよ」とか、「足が短くても、両方そろっているから幸せじゃない。長さが違っていなくて良かったね」こうしてみると、ずいぶんひどいこと言われていたのに、私はそれで妙に納得。いつも、可愛い顔をしていると言われたお陰で、幸せに育った。時々人の顔を見て、ぶしつけにも、変わった顔だとか、変だとか言う人がいる。本当ではあるけれど、ひどい。自分の顔を棚に上げて。それを聞いたら、母はそんな人のことを殺すかも。いいの、私は母が可愛いと言ってくれたのだから。    散歩の帰り道久しぶりに夫カラスに出会う。相変わらずつやつやで美しい。私を見ると鳴いて妻を呼ぶ。妻カラスも飛んできて、二羽でお見送り。母とカラスの社会では、私はクレオパトラか楊貴妃かだわよ。

0 件のコメント:

コメントを投稿