2010年5月15日土曜日

麻布チェチーリア

アマチュアの合唱団でありながら、洗練された歌唱力、力強い声量に感心する。指導者の阿部葉子さん(二期会)の指導力に脱帽。浜離宮朝日ホールでのマチネー。結成10年の記念コンサートのお手伝いに、いつも仲の良い、弦楽アンサンブルの仲間たちと伴奏をした。第3部、ペルゴレージ作曲「スタバートマーテル」(悲しみの聖母) 曲も良いが、合唱もすばらしく、気持ちの良いコンサートとなった。久しぶりに清らかな気分を味わう。 メンバーの一人、コントラバスの富永さん。実は富永さんのお父さんと私たちは、良きアンサンブル仲間であり、スキー仲間、食べ歩き、遊びもよく一緒だった。だが、彼は若くして心臓病で倒れてしまった。私たちが病院のベッドサイドで泣きながら「逝かないで」と呼びかけたのに、ついに帰らぬ人となった。今日一緒に演奏するのは、彼の遺児である八峰君。芸大をでて、立派にオーケストラで活躍している。そして・・・今日がお父さんの10年目の御命日だと言う。合唱団の10周年の記念コンサート、曲は「スタバートマーテル」弦楽合奏は全員お父さんの仲間たち。しかも、始めは彼以外の人が来る予定だったのが、都合で彼になったという。             なにか、深い縁を感じて感無量となった。こんな事ってあるのですね。「お父さんは絶対今日一緒に弾いていたよね」と言うと素直な息子さんは「はい」と言う。お父さんの遺品のコントラバスを、きっと親子で弾いていたのでしょう。音楽にも美術にも抜きん出ていた富永さんの二人の息子さんは、一人は今日一緒だったコントラバス奏者、もう一人は美術の道に進んで、立派に大成しているという。

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