2010年5月2日日曜日

放送大学その1

音大を卒業したものの、音楽で食べていけるとは思っていなかったので、卒業する年に母にもうひとつ大学を受けたいといったら、えらく叱られた。親にしたら、6人目がやっと卒業、やれやれと思ったのに、又学校になど言語道断。仕方がないから2,3年したら自分で学費を作って行こうと思っていた。幸い卒業する前からオーケストラで仕事をさせてもらっていたので、そのままズルズルと入団。ところが、仕事が面白くてやめられない。あっと言う間に年が過ぎ、その間オーケストラはやめても、仕事は山のようにあるし、大学どころではなくなった。20年目に放送大学の発足を新聞で知ったとき、これを逃す手はないと次の年に入学。条件は、絶対に仕事優先、けれど、絶対卒業する。これだけ。しかし、思った以上に難航した。まず、仕事が日時、場所がイレギュラーであること。必ず現場に居なければ」仕事にならないから、スクーリングなども休まなければならない。試験の日が仕事なら、試験も受けられない。せっかく勉強したのに、涙を呑むしかない。一番縁の遠かった自然科学を専攻したために、本の第1ページから意味不明。初めて試験を受けたときは、解答用紙を前に何も書けず、涙がぽろり。でも、よくしたもので、1年も経つと教科書が読めるようになった。新聞も科学欄はちんぷんかんぷんだったのが、読めるようになった。なによりも良かったのは、謙虚になれたこと。自分がどんなに物事を知らなかったか、思い知らされた。

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