2010年12月9日木曜日
ステージは面白い
私たちの仕事はいろいろあって、スタジオ内での録音、テレビの録画、生中継、オーケストラやアンサンブルのステージ、たまにはソロも弾く。その中でも一番面白いのはステージでお客様の前で弾くこと。今日も(日付けが変わって昨日になってしまった)早めのクリスマスコンサートが王子の北トピアで開かれた。演奏は銀河管弦楽団。レギュラーメンバーではなくエキストラとしてだけど、コンサートマスターはじめメンバーは親しい人たちなので、楽しくリハーサルが進む。でも、今日はじめて見る楽譜はどれも、難しい。クラシックの時以外はたいてい楽譜は当日渡される。テレビの仕事もスタジオの仕事も、ひどいときは楽譜が出来上がっていないこともある。現場でいきなり難しい楽譜を渡され、初見で弾かなければならない。 それを10数曲、一回弾いただけですぐ本番の時もある。今日も行ってみれば、難しいリズムや調子記号がたくさんついている曲が多い。わあ、大変。でも、この緊張感がなんともたまらない。クラシックのオーケストラのように、何回も練習を重ね、練り上げていくのも面白いが、これはこれでスリル満点、誰がどう出るか思いがけない展開があったりして、予断を許さない。練習を重ねているはずのクラシックのオーケストラの場合であっても、ハプニングは常に控えている。たとえば指揮者でよくステージから落ちる人がいたり、繰り返しをウッカリ忘れる人がいたり、決して油断はできない。やり直しがきかないから皆極度に緊張するために起こる。普段なんでもないことが出来なくなったり、出来なかったことが出来たり、楽器を取り落としたり、一番すごい話は着替えのときにウッカリ下着を脱ぐのを忘れ、本番中にずり落ちてきた人がいた。・・・面白いと言っては不謹慎だけど、刺激に満ちている。一度ステージに立つとやめられなくなるのは、そのせいかもしれない。
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