2013年4月17日水曜日

新緑の季節に

今日も朝から埃っぽいぬるい風が吹いている。最近気持ちよく晴れ晴れとした天候にはあまりお目にかかっていない。中国からの黄砂のせいか、あたりがもやって黄色く見える。春は元々好きではないので、用事がない限りほとんど家にこもっている。幸い家の前に桜並木が広がっているから、外を眺めるのは気持ちが良い。このどんよりした空気も新緑のお陰で少し浄化されるような気がする。私の家は庭がない。駐車場はコンクリートで固められているが、塀と排水のための溝との間に砂利が敷いてあって、その10㎝ほどのわずかな隙間から木が1本伸び始めた。それがあれよあれよという間に立派に成長した。夏には木陰を作ってくれるし、二階のベランダの窓まで届く様になると花が咲いて小鳥がやってくる。とても楽しみにしているのに、ご近所のきれい好きさん達には邪魔なようだ。秋になると葉が落ちるから、そうなる前に枝卸をしてしまうが、少し残って高いところにある枝までは手が届かない。私から見るとほんの少しだけ落ち葉がよそのお宅に飛んでいく。塵一つなく玄関前をきれいにしておく彼らにとってみれば、この木は目の敵。礼儀正しい人たちだから秋になると婉曲に、この木を切ってしまえと言ってくる。何という木か名前がわからないけれど、葉の中心がほんのり赤く美しい。花はあまりきれいではないが、実は小鳥が喜んで食べている。夏には緑のカーテンとなって涼しげに見える。秋には枯れ葉が落ちる前に、心の中でごめんよと言って謝りながら切らなければいけない。それでも少しは葉が残ってしまう。落ち葉は掃けばいいのだから、私も時々お隣に侵入して落ち葉掃きをする。木にはなんの落ち度もない。この無精な私も落ち葉の時期には目いっぱい気を遣う。お隣には今のところ枝を切って勘弁してもらっているが、本当は根こそぎとってしまいたいらしい。以前も葉に付いた芋虫がいつ蝶になるか楽しみにしていたら、お隣さんが「あの芋虫捨てました」と言ってきた。あらまもうすぐ蝶になるのに。家の前の桜が河川工事のために一時切られたことがあったら、虫がいなくなって良かったと喜んでいたのもお隣さん。その後又桜が植えられてさぞがっかりしたことだと思う。今日のような黄色っぽい埃の日には特に木を見ると救われる。新緑に守られているような気がする。人は様々。落ち葉を嫌がる人がいるのは重々わかっているけれど、そのために木を切りたがる神経は私にはわからない。落ち葉公害なんていう言葉があるくらいだから、きれい好きな人にはたまらなくいやなのだとは思うけれど、何のお陰で人は生きていけるのか考えて!

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