2013年4月5日金曜日

はとかんさん。

元東響のコンサートマスターの鳩山寛さんにお目にかかりに沖縄へ。元東響のメンバーが4人揃って先日の水曜日、強風の中を羽田から飛び立った。私の少し先輩のKさん、1年後輩のS子さん、だいぶ年下のT子さんと私。那覇空港は曇りで、時々薄日が差していた。レンタカーで那覇の中心部へと向かった。鳩山さんには4年ほど前にお目にかかって以来だが、変わらずお元気そうで色つやも良く、言葉も記憶も明瞭で、今年90歳になられたとはとても思えない。きちんと整理されたアルバムや古いプログラムなどを見せていただいた。そのアルバムには若い頃の私の写真が沢山あって、どれほどお世話になったかがよくわかる。色々な組み合わせのアンサンブルのどこかに私がいつもいる。ご自分のことは多くを語らなかった方だから私たちはほとんど昔のことは知らなかったけれど、今になってそのすごい天才ぶりと経歴を知ることになった。ブログつながりで知り合ったSさんという方が今年1月、鳩山さんを訪問されている。そのときに一緒に行きたかったけれど、何かと忙しく、とうとう4月になってしまった。その方から鳩山さんがとてもお元気だと聞いていたけれど、これほどお元気だとは思っていなかったので、たいそう嬉しく話も弾んで、あっという間に時間が過ぎていった。お別れの時には不自由な足を引きずるようにして玄関まで見送ってくださった。別れ際にはさすがに寂しそうな顔をされていた。私たちも名残惜しく中々別れがたかった。
東京にいた頃の鳩山家には2匹の猫がいた。沖縄へ引っ越す日に1匹が姿を消してしまった。必死の捜索もむなしくとうとう見つからないのであきらめていた。引っ越して1週間目、荷物をほどくとかすかに鳴き声がして、家具の間からその子が出てきたそうだ。荷作りの日、人の出入りに驚いて荷物の陰に隠れたのに気が付かず、そのまま送ってしまったらしい。その猫も今や落ち着いて、可愛いおしゃべり猫として鳩山家でのびのびと暮らしている。もう1匹はすでに猫の天国へ旅立ってしまった。奥様と猫と引退後を暖かい沖縄で過ごしていることが、お元気の秘密かもしれない。

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