2013年4月18日木曜日

恥を知れ銀行

わりと執念深い性だから未だに根に持っていることがある。もうずいぶん前、リーマンショックの直前のこと、仕事が暇になって、ふと出来心が起きた。普通預金の金利の低さ、このまま仕事も暇になってくると少し投資でも考えないといけないなどと柄にもなく考えたのが運の尽き。暇にまかせて取引先の東京**銀行に足を運んだ。この銀行は遺産相続の時にお世話になった担当者が非常に優秀だった。投資の話なども大変良いアドバイスをしてもらって、雀の涙ほどの利益が出たのでとても信用していた。ところが、そのときはもう担当者が交代していて、なにやら能面のように表情のない女性が対応した。私が元本割れのないものをと言っているのに、しきりにユーロ債券をすすめる。しかし、当時はドルがひどい状態で何れユーロにも及ぶと言うことは素人の私ですら予想していたので、きっぱりと断ったにもかかわらず、しつこく勧められた。今思えば上からの指示に違いない。売れなくなった債券をだれでもいいから押しつけてしまおうという魂胆だったに違いない。お終いには裏からお偉いさんまで出てきて「大丈夫。絶対間違いない」の大合唱。素人の私はふと、これほど言うならとつい手を出した。そのほんの数日後、リーマンショックが起きた。ドルもユーロも雪崩を起こした。銀行は絶対に知っていたに違いない。そんなことを把握出来ない企業であれば、それ自体が信用できない。知っていて押しつけたのなら、詐欺同然。そして、まだユーロが底値の頃「売りますか?」と問い合わせ。「ひどすぎない?今売ったらものすごく損でしょう」と言って追い返した。そして今朝ヴァイオリンの練習中に銀行から電話がかかってきた。「ユーロが回復して損失がなくなりましたので、ご挨拶を」「来ても無駄よ、私は怒るだけよ」と言って撃退した。腹立ち紛れに電話を切ってからヴァイオリンを弾いたら、今まで練習していた曲の合わなかった3度の音程がピタッと合ったのには笑った。おお、すごいエネルギーだ。とにかくやり口がきたない。口車に乗って、退職金のほとんどを投資してしまったお年寄りが沢山いるに違いない。一時期本当に3分の1くらいの損失が出ていたので、老後をそれで暮らそうという人たちにとっては、お先真っ暗だったと思う。その上損をしているからと言って慌てて売ったら、ますます損をする。銀行の言うとおりに売っていたら、相手の思うつぼだった。それを又売って銀行はもうける。汚いやり口を見て以来、私の銀行に対する信用はゼロになった。私に電話口でポンポン言われて、相手もむっとしたらしい。でも、こちらはむっとするどころではない。生活の危機なんだから。むっとする権利なんてあなたたちにはないでしょう。一番腹が立つのは自分に対して。わかっているのに乗せられた自分のアホさ加減がくやしい。

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