2011年8月14日日曜日

くにたちの会

毎年8月14日と決まっている。
始まってから何年になるのか。私たちより3年くらい上の世代のヴィオラ科の卒業生が中心になって始めた同窓コンサート。お声をかけていただいて参加するようになった。まず、それぞれが自分の弾きたい曲を持ち寄ってコンサートをする。それが終わると国立駅近くの天政という料理やさんで宴会。コンサートを終えて一通り食事が過ぎてからが楽しい。楽譜が次々と出てきて、無差別にどんな曲でも弾かされる。酔っ払いといっても容赦なく引きずり出されて、一曲弾き終わらないと席に帰れない。そうやって延々と二次会コンサートが続く。いったい何時間弾いていたのだろうか。真面目な方のコンサートではベートーヴェンの8番のソナタ。このところずっと弾いているのに、一向に上手くはならない。ベートーヴェンは私にとっては鬼門で、本当に好きだったり、上手く弾けたりしたことは一度もない。やはり内容が重くて持て余す。自分の中にそれに匹敵するだけのパワーは存在しない。今ピアニストのSさんと組んで連続して練習をしているが、心から楽しめる曲はまだ見つからない。でも、よくしたもので、何曲も取り組んでいくうちに、彼の心が見えてくる。なんと優しい崇高な人なのかと思える瞬間がある。その時には喜びが込み上げてくるけれど、次の日には元の木阿弥、すっかり迷子になって一からやり直し。自分か相手かどちらかが調子悪くても、上手くいかない。ソナタは二人で作り出すものだから、私が調子悪い時には申し訳ない気持ちになるのがつらい。久々に緊張。くにたちの卒業生はあまり優秀ではなくても、それに代えがたい優しさがある。故有馬大五郎先生かわが子のように育んだ生徒たちは、あまりにもおっとりしていて世間の荒波を浴びても気が付かない。だから、くにたちボケと言われるけれど、このボケは最高なのです。

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