2011年8月11日木曜日

札幌から

電話がかかってきた。聞き覚えのある声だが、はて、どなた?以前の教え子のN君だった。大学を卒業して、某大手電機メーカーで営業の仕事をしている。「今札幌にいます。こちらも暑いです」涼しくていいわねと言おうと思ったら、出鼻をくじかれた。そうか、勤務地は札幌なんだ。非常に落ち着いた頑張り屋さんで、高校時代、学内のオーケストラでラロの「スペイン交響曲」のソロを弾いた。音楽学校ではないのに、コンクール入賞者がゴロゴロいるような非常にレベルの高いオーケストラだったから、普通なら彼はとうていソロが弾けるような立場ではない。でも、たまたまその学年は彼が一番うまいというレベルだったので、抜擢された。それからの頑張りがすごかった。私も今より少し元気だったから夢中で教えて、彼は立派にその任を果たした。真面目、几帳面を絵にかいたような性格で、卒業して就職した時もきちんと挨拶にみえた。今度お盆で実家に帰るのでレッスンお願いしますとのこと、どんな曲を弾きたいの?と聞いたら、曲は弾いていないので基礎練習をしたいという。札幌の市民オーケストラで弾いているそうで、まだヴァイオリンは続けていてくれる。それが一番うれしい。電話がかかってきたときに、もしかしたら結婚の報告?と期待したけれど、そうではなかったので少しがっかり。どんな仕事をやっても全力で努力するような性格だから、仕事も家庭も着実に築き上げていくと思う。私とは正反対なのに、いつまでも忘れずに会いに来てくれるのが、本当にうれしい。

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