押し入れを開けたら中で猫が騒いだらしく、上の棚から落ちてきたのは段ボール箱。引っ越しの時押し込んでそのまま忘れていたようだ。開けてみると本が出てきた。
「臨死体験」バーバラ・ハリス ライオネル・バスコム 立花 隆訳 講談社
夫は会社の重役、子供が3人いるバーバラは富裕で幸せな生活を送っていた。その幸せはある年、プールでの事故から運命が急激に変わり始めた。彼女は生まれつき脊椎が湾曲していた。怪我をきっかけに脊椎が痛み始め手術を余儀なくされる。鎮静剤あるいは脊椎への薬剤の投入などが行われたが、まったく痛みは治まらず、ついに手術をすることになった。手術の後彼女はサークルベッドに寝かされることになった。このサークルベッドとはどんなものなのか私は知らないけれど、体を固定しベッドが回転できるようになって、一日にベッドを回転させて体がベッドに下に来るようにさせるらしい。皮膚呼吸が出来るようにして肺に水が溜まるのを防ぐと説明があるけれど、とにかく彼女はベッドに固定されて人工呼吸器を一日20分間つけさせられた。あるとき男性看護師かが呼吸器をつけ彼女にマウスピースを咥えさせたまま部屋を出てしまった。呼吸器は一定のリズムで肺に空気を送っつたり止まったりするようになっている。ところがその時調子が悪くなりどんどん空気を送り込み始め止まらなくなったため、肺は膨れ上がり彼女は失神してしまう。胃袋と腸が膨れ上がってしまい助けられた時にはお腹が腫れあがっていた。昏睡状態になった時、しかし彼女の一部は覚醒状態にあった。体外離脱が起きたのだった。彼女の意識は病院の廊下をさまよっていた。天井がすぐそばにある。病室に戻ると自分の体が見えた。体中がチューブでつながれ鼻かにはテープが巻かれている滑稽な姿。それを冷静に見つめる自分がいて、さっきまでの苦しさはどこにもない。そして小さいころ可愛がってくれた祖母の愛情に包まれていると感じた。そして何かに引き寄せられるようにしてたどり着いたのは、トンネルの入り口、そこは光に満ちていて、彼女は光に呼ばれるように感じたが従いて行かなかった。
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