2012年5月24日木曜日

ダークダックス

音楽家で舞台に立っている人たちは、私を例外にして、みなかっこいい。さっき「徹子の部屋」に「ダークダックス」のぞうさん、げたさんが出ていた。私よりも若い人はこの名前ご存知ないかもしれない。4人の男性コーラスで日本の男性コーラスの先駆けみたいな人たちだった。本当はもっとうまいコーラスもいるのに、慶応出身の垢抜けた育ちの良さそうな風貌と、品の良さが一番人気の元だったようだ。レパートリーもお茶の間で聴いても恥ずかしくないような模範的な歌ばかりだった。まあ、それはテレビ向きにだったかもしれないが。ただし、ハーモニーは私が感じるには、あまりピシャッとあっているようには聞こえない。摩訶不思議なハモり方をする。あっているようなあっていないような。以前は私もテレビの仕事をよくやっていたから、同じステージで聴くこともあったけれど、いつもちょっと首をひねって聴いていた。でも、合っていないとも言い切れない。これでいいのかなあ、という風だった。後に「デュークエイセス」が出てきて聴いた時、あ、すごく合ってると思ったから、やはりあまりハーモニーとしては良くなかったのだろう。ふたり欠けてしまって、今日はバリトンのゲタさん、バスのゾウさんだけだったが、二人とも背筋のまっすぐさ、目の輝き、顔の表情の豊かさ、いずれも人前に立つ人の条件をいまだに備えている。今81歳だそうだけど、本当に若々しい。音楽は人を年取らせない。いつまでも青春時代にすぐに戻れるのが、音楽の力。私も今や若いころのスリムさはすっかりなくなり、立派な洋ナシ体型になった。もう一度ひょうたん型には戻れないにしても、後せめて3キロは痩せないと、と思っても中々できるものではない。けれど、ダークダックスのお二人はいまだにきちんとウオーキングやストレッチを欠かさないと言う。こういう人たちは、だから仕事でも生き残れるのだと思う。それにしても司会の徹子さんも凄い。顔にしわ一つない。滑舌も一時期ちょっとろれっていたこともあったけれど、最近また持ち直してきた。「思い出のメロディー」という番組があった。以前は毎年のように出演させてもらっていたけれど、たった一曲のヒット曲しかなくて、しかも何十年も経って出てくる人が、体型も顔も殆ど変っていない人が多いのには驚かされた。いつ出演依頼が来てもいいように待機していたのかと思うくらい。中年になった私がブクブクと太り始めたころ、ちょっとお姉言葉の男性ヴァイオリニストに言われたことがあった。「あのね、太ったらだめよ。テレビ映りが悪くなるでしょ」太っていなくったって映りは悪い。でも、先日若いころ出ていた番組のDVDを見たら、多少は可愛く映っていた。ああ、若さは偉大だなあ。にも拘わらずダークのお二人のように年取って益々素敵になる人もいる。この辺が根性の違いか。

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