2012年5月30日水曜日

金澤希伊子リサイタル

ラヴェルのピアノと弦楽器による室内楽演奏会      津田ホール                                                                                              金澤希伊子(ピアノ)ジェラール・ブーレ(ヴァイオリン)管野博文(チェロ)                                                  金澤さんは1950年芸大卒というが2010年にCD「ラヴェルピアノソロ作品全集」をリリースされたという。世の中には年をとることを忘れたひとたちがいる。自分の道をまっしぐらに進んでいつのまにか数十年経ってしまっただけ。今日は美しいピンクのドレスが非常にお似合いで、ヒールのある靴でしっかりと歩いていらっしゃる。ピアノに向かえばもう全く年齢は忘れてしまう。ヴァイオリンのブーレさんはフランスヴァイオリン界の至宝と言われる方で、自由自在に楽器を操り、重力のない世界で遊ぶかのような薫り高い演奏。管野さんはそのお二人の間でしっかりと、しかもこれまた自由に豊かな音を紡ぎだす。素敵だったなあ。初めはヴァイオリンとチェロの「ソナタ」2曲目は「ヴァイオリンとピアノのソナタ」おしまいに「ピアノ三重奏曲」今日一緒に聴きに行った人はピアニストのОさん。彼女とは以前ピアノ三重奏を結成して長い間一緒に演奏していた。もう一人、チェロのМさんがメンバーで、私の頭文字がYなので「YМОトリオ」と称すれば「イエローマジックオーケストラ」と間違えて聴きにくる人がいるかもしれないから、そうしたら?と言ったのはОさんのご主人。長い演奏活動の中でこのラヴェルのトリオは一番よく演奏した。結成第一回目の草月会館でと、次は表参道のカワイサロン3回目はОさんの故郷の札幌で。カワイの時は弾いている途中でドレスのストラップが下がってきて、その上大きなイヤリングが外れかけて、ヒヤヒヤもので弾いた記憶が。今はもう笑い話で済むけれど、その時は真っ青だった。10年ほど続いたトリオもその後はそれぞれの事情でばらけたけれど、Оさんはまた一緒になにか弾きたいと言ってくださるから、私も年を取らない人になってもう少しがんばるか。やれやれ。

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