2012年9月6日木曜日

肌荒れ

美容外科に行って、すっかり日焼けしてしまった肌のメンテナンス。担当のA先生と看護婦さんが同時に口を開いた。「旅行は行ったんですか?」イギリスに行く前にさんざん言いふらしていたので皆さん旅行の事はご存じ。肌の肌理を調べる機械ではそれほど荒れてはいなかったが、先生の目は肌荒れを見逃さない。実はロンドンに到着したその夜にすでに肌荒れが始まっていた。私の唇はよほどの熱が出た時でないとかさつかない。人間に水気が多いらしく、いつも肌の表面が水分でおおわれている。なめくじの親戚でもあるまいしと思うけど、塩をかけられたら体は半分くらいになってしまうと思う。それなのに、いきなり唇がカサカサになったので驚いた。上唇にひび割れができた。ワセリンを刷り込んでマスクをして寝たら、翌日は改善されていたけれど、旅行中はそうやって肌荒れを防いでいた。それでも晴天の日が多くて、しかも帽子をかぶると日本人だとわかって狙われやすいからかぶらないようにと言われた。ロンドンを離れてからはお目付け役がいないので帽子をかぶっていたけれど、ロンドンでは家主さんの言うことをきかないと放り出されると困るから、おとなしくハイハイと言うことを聞いていた。その結果がシミやそばかすになったら、スリに狙われてもかぶっておくべきだった。すこし日焼けして肌がかゆい。でも絶対に肌を強くこすってはいけない。そのためには化粧水もつけないという徹底したすっぴん主義の治療を受けているので、かゆくてもかけないのがもどかしい。それにしてもイギリス人が肌を日にさらすことを厭わないのには驚く。ぎらぎらした陽射しの中を、露出の多い服装で帽子もかぶらす傘も差さない。紫外線の害は気にもとめていないらしい。むしろ年間の日照時間の少なさを、ここで取り戻さないと病気になってしまうらしい。そういえば以前、友人のつれあいがドイツ人で、毎年夏休みに日本へ来ていた。日本の暑い夏が大好きだと言って、暑いさなか外出していた。その友人はあまりにも激しくヴァイオリンの音を追及しすぎて体を壊し、若くしてあの世に旅立ってしまった。彼の嘆きは見るに堪えないくらいで、それ以来彼は日本に来なくなった。今はどこの国で夏をむかえたのだろうか。

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