2012年9月1日土曜日

イギリス旅行記2

朝5時、寝室のドアを開けて通りに出ると、冷たい清々しい空気が待っていた。今日はロンドン市の中心街で買い物をすることになった。美智子さんの元ピアノのお弟子さんのまりさんという御嬢さんが私たちを案内してくれることになった。彼女はイギリスで育ち、日本で高校、大学を出たのちまたイギリスの大学院で法律を学んだという才媛。だから言葉はネイティブ並み。ロンドン市内にも詳しい。日本でのお勤めであるプロジェクトが終わり、ご褒美の休暇でイギリスに来ていると言う。美智子さんの家の最寄駅はロンドオリンピックの会場の傍にある。その駅まではバスでもいけるが今回もリチャードが車で送ってくれた。ピカデリーサーカスでナショナルギャラリーに入ると、これでもかと名画が並んでいて、しかも無料なのには驚いた。日本でこんな名画が展示されていたら人の頭でろくに絵も見えないと思うのに、人も少なくゆったりと好きな絵が見られるのが嬉しい。こんなところからカルチャーショックがもう始まった。ヨーロッパは本当に文化を大切にする。日本は今経済力が弱り世界ランクからどんどん下がっているのは、経済だけに重さを置いたせいではないか。自国の文化をしっかり守って行けば、たとえ貧しくなっても尊敬される国でいられるのに・・・などと意見を言いながら回っていると、うれしいことに私の好きなターナーの絵が沢山あった。疲れたのでお茶を飲んでから、ボンドストリート、リージェントストリートなど回るが、私にはとんと縁のない高級なお店など興味がないので、チョコレートを買っておしまい。美智子さんが持たせてくれたおにぎりは地下鉄の中で食べる。普段電車の中で物を食べる人を白い目で見ていたけれど、旅の恥はかき捨てになってしまった。夕食は美智子さんの美味しいお料理。話も弾んで楽しい一夜となった。明日からはいよいよ長年の夢だったヨーロッパの田舎を車で回ることになる。今回は中でも人気の蜂蜜色の街コツウォルズが目的。本当は湖水地方や「ジェーン・エア」「嵐が丘」で有名なヒースの生える荒地なども見たかったのだが、リチャードのこんな時期にそんなところに行くのはクレイジーという意見で実現しなかった。二日間で3時間の睡眠と言うハードさだったので、あっという間に眠るのが自分でもわかるほどの速さで眠りに落ちた。

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