2012年9月2日日曜日

イギリス旅行記10ロイヤルアルバートホール

ロイヤルアルバートホールに行くには9番のバスに乗る。ところがほかの番号のバスはたくさん来るのに9番は見つからない。地図を逆さまにしたり横にしたりして眺めてもわからない。ほかのバスはどんどん来るのに。日本人の女性が声をかけてきた。一緒に探してくれたけど見つからないのでタクシーに乗ることにした。タクシーにのってすぐ、横を見ると9番のバスがいるではないか。まったくどこにかくれていたものやら。タクシーを降りるとホールの前は人でいっぱい。当日売りの立見席を買うひとや、当日戻ってきた指定券を狙う人などでごった返している。うろうろしていると向こうから男の人が手に二枚チケットを持ってやってきた。売ってもよいと言う。躍り上がりたいほどラッキーだと思ったけれど、待てよ!これ本物?財布からお金を出していたけれど、まだ手渡さない。そのうち男の人は美里さんの手からお金を取ろうとする。美里さんは離さない。チケットは私が握って離さない。苦笑して男性はこちらに来いと手招きする。私は指定券の列に並んでいる人が手に持っている券と比べると、どうやら本物らしい。立見席の入り口は空いていて、そこから入れと男性が言う。そこで初めてお金を支払った。余った券を売りたかったらしく、本当の値段より少し安くしてくれた。いわゆるダフ屋らしいその人はほかの人で大分儲けたのだろうか。とても親切だった。おかげで素晴らしいことに夢のプロムスの席が手に入った。演しものはイギリスの作曲家ハウエルズとエルガー。ハウエルズは息子を亡くした傷心から作曲したと言う「Hymnus Paradisi」ラテン語で意味不明だけれどたぶん天国に関係ある宗教曲。大勢のコーラスはロンドンフィル合唱団、ソプラノは ミア・レイソン テノールはアンドリュー・ケネディー 指揮 マーティン・ブレビアス オーケストラはBBC交響楽団。リチャードもこのオーケストラでフルートを吹いていたと思う。2曲目はエルガーの交響曲1番。プロムスは夏の気軽なコンサートではあるけれど、出演者は一流で、次のひはベルリンフィルが出演するそうだ。みな盛装したりせず、気軽にジーパンなどでも来られる。コーラスもソリストも、もちろんオーケストラも素晴らしく、まさか聴けると思わなかったので感激は頂点に。ホールは円形の日本の武道館みたいな造りなのに、音響は素晴らしい。立ち見の人たちはそれぞれ思い思いの格好で座ったり寝そべったりして聴いている。感激のコンサートが終了して表に出て、今度こそ9番のバスに乗った。

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