2014年6月13日金曜日

風邪の特効薬

そろそろ緊張が始る。
今月半ばには「大公トリオ」
7月のブラームス「ソナタ」
8月の松原湖のコンサートで弾くシューマン「ピアノ5重奏」
秋の八ヶ岳音楽祭のオーケストラ練習が早くも今月末から。
9月に弾くかどうか未定だけれど「兵士の物語」
友人の発表会でもシューマン「ピアノ5重奏」その他コンチェルトの伴奏等々。
これから練習スケジュールが加速される。
今日は「大公トリオ」の会場練習があった。
この曲、楽譜は易しいのに、一度も満足したことがない。
ベートーヴェンはいつでも偉大すぎて、高い壁があるようだ。
シンプルで音階だけで出来ているような曲に、こんなに深い音楽が存在するのが不思議。
もっとシンプルでもっと素晴らしいのはモーツァルト。
このところモーツァルト弾いていないなあ。
特に弦楽四重奏、弾きたい。

しばらくダラッとしていて、やる気がなかったのがいよいよエンジンがかかってきた。
ようやく体が、湿度と高温に馴れたようだ。
今日の練習会場は府中で、朝9時、家を出た頃は上天気。
夏らしい青空と、下の方に分厚い雲がモクモクと上がってきていたが、その更に下、地上に近いところにほんの少し、嫌な暗い雲がどんよりと見える。
会場練習は2時間ほどで終りロビーに出ると、窓からやけに大きい雨粒が見えた。
その時点では大粒の水滴だと思った物は、なんと雹だった。
風が渦を巻いているのが良く見える。
最近、そこここで竜巻が起こっているから、ひょっとしたらそうではないかと思える程の強風。
しばらく呆然とロビーに立ち尽くしていた。
すぐに治まったから帰路についたが、府中街道の街路樹が小枝ごと葉が落ちていた。
どれほど酷く風が吹いたのか、よくわかる。
その後は忘れたような青空。
日本も亜熱帯になったというのを実感する。

緊張してくると風邪だの咳だの言っていられなくて、いつも軽い症状なら治ってしまう。
これがいけない。
ずいぶん前のこと、高熱が出ているのに演奏旅行がキャンセル出来ず、釜石まで出かけた。
いつものように、旅にでれば治るさと、軽い気持ちだったのが、症状がどんどん重くなって、ついに白湯以外、なにも受付けなくなって、朝、本番前に診療所までタクシーを飛ばした。
そして診断されたのが急性肝炎。
GOTが2000!
命にかかわるから帰りなさいと医師から告げられ、指揮者の了解を得て帰らせてもらった。
即入院、その後1ヶ月半を病院で過ごした。
あの時にすぐ、的確な判断と検査をしてくれなければ、私は命を失っていたかもしれない。
その釜石の診療所はあの東日本大震災の津波で、どうなったかがずっと気がかりになっている。
私の命を救ってくれたあの先生は、無事でいらっしゃるだろうか。
緊張したり旅に出たりすると、今でも軽い風邪や鬱なんかは、すぐ治ってしまう。
しかし、あの時だけは死に直面していたのだと、時々思い出す。
なにごとも軽い気持ちで考えているから、時々こうして危険な目に遭うのだけれど、今のところ運良く災難から逃れている。








































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