大分前から、弥生人の美智子さんと浅草にフグを食べに行く予定を入れていた。
浅草はあまり馴染みがない。
銀座まで、遠くても上野まではよく行くけれど、浅草になると少し遠隔地の気分になる。
仕事では数回行っているけれど、いつも仕事が終れば矢のように飛んで帰ってきてしまうから、街を見たことがない。
待ち合わせて、雷門に繰り出した。
なぜこの暑いのにフグになったかというと、以前、上野池之端の寿司や「英多郎」に美智子さんの1年遅れのお誕生祝いをするために、案内したことがあった。
売れっ子で超多忙だった美智子さんも、最近ようやく時間がとれるようになってきたところで、ちょうど良い道連れとばかりにお誘いしたのがそのきっかけ。
その時に、彼女が最近同窓会で行ったフグやさんが美味しかったという話となり、私はフグはまともに食べたことがないという話となり、それではということになった。
これからはせっせと美味しい物を食べ歩こうと、悪だくみ。
フグは白子が美味しいそうだけれど、今の季節は食べられないから、又来なくてはいけない。
それに、まだまだ美味しいお店の候補は挙がっている。
次々でしんどいなあ、はははは・・・・
雷門に着いた時、ここはどこ?状態。
何語か分からない言葉が飛び交っている。
しかも歩いていても肩が触れあうほどの、混雑ぶり。
仲店通りは、外国人向けの日本のお土産を売る店が、連なっている。
最近の日本人には馴染みのない、手ぬぐいや扇、着物、草履、そして浅草と言えば芋羊羹、おせんべい。
先の細いお箸を探していたところだったので、竹製の細いお箸を買った。
ちいさなテーブルクロスにできそうな、風呂敷を買う。
日本手ぬぐいはデザインも色も、今見ると斬新で魅力的。
浅草は独特の雰囲気がある。
夕方になっていよいよ、フグの時間になった。
三浦やというフグの店。
突き出しはウニ、その後はフグ刺し、海鮮サラダ、ふぐちり、最後に雑炊を頼んだ。
本当はトラフグでいきたいところだったけれど、なんせお値段が貧乏音楽家には手が出ない。
ビールのあとで麦焼酎のお湯割りをなめながら、会話がはずむ。
〆の雑炊でフグの出汁をすっかり食べ尽くす。完食!
すっかり満足して外に出ると、あれほどの喧噪が嘘だったかのように、街は静まりかえっている。
浅草寺の参道には明々と灯が点っているのに、人影はまばらで、見あげるとスカイツリーの青い色が幻想的に浮かび上がっている。
昼間はお寺があるとは思えないほどの騒がしさだったけれど、夜の人通りの絶えた境内は荘厳さを取り戻して、ありがたい気分になる。
美智子さんはこれが見せたかったのと言う。
なるほど、これは見る価値があった。
これが浅草、昼はどさくさ。
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