2010年2月23日火曜日

ロマンチック街道 さようなら

オーストリアに入る。南に来るにつれて、変わってくるのは人の気質。ドイツでの見事な親切さや整然とした町並み(それはどの都市も同じ様な)清潔さなどは、微妙に崩れてゆく。ザルツブルグは親しみの持てる街だったが、到着したのは土曜日の午後。モーツアルトの家はもう閉まっていて、入れない。翌日は日曜日でお休み。この石畳を彼が歩いたであろう、というだけで満足するしかなかった。翌日、合唱隊の声を聞きに日曜日のミサに入り込む。いよいよ、ウイーンへ。今までの田舎っぽい様子とは打って変わって、大都会に来た実感がする。ウィーンは道路が環状になっていて、一方通行が多く苦労した。オペラのチケットを買いに出たら、すぐそこだと云うのがわかっているのに、一方通行で入れない。グルグル回ってやっと到着寸前、ごみの収集車が前をふさいでストップ。やれやれ。   季節は9月の中ごろ。寒いと思ったら暑くて着るものがない。厚手のワンピースというださい格好で、「フィガロ」を聞きに行く。旅行中だから仕方がないと思ったら、みゆきさんとみゆきママはちゃんと薄物でおめかし。さすが、学長秘書親子。お決まりのザッハトルテに買い物、夜はヴァイオリンの演奏を聴きながらワインを飲みすぎて、騒いで、みゆきさんからチクリと釘をさされる。良く出来た弟子を持って、私は幸せ。あれから30年たって、もう一度ウィーンを訪れたが、大して変わっていない。これがヨーロッパの良いところだと思う。人にとって何が一番大切かと言うことを、知っている。ただ、ウィーンの空港でライフルを提げた警官が沢山いたので、やはりここはヨーロッパ、日本のように暢気な国ではないことを実感した。帰国して皇居前を車で走っていると、松の木の青さが目にしみる。やはり、日本は美しい。

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