2010年2月8日月曜日

ノーノー、テノール

オペラだけはS席で観ることにしています。ミラノのスカラ座の日本公演でフィガロを観に行った時、チケットをけちって、(語呂があいますね。)一番安いのを買ったら遠すぎて、なんかテレヴィで見てるみたいだったので、それからは無理して高い席を買うようになりました。あるときドレスデン歌劇場の魔笛を観に横浜の県民ホールへ。存分に楽しんで表へ出ましたが、乗り物に乗ると余韻が消えてしまいそうで、桜木町までブラブラ歩くことにしました。表には歌劇場の団員を乗せるためのバスが止まっています。すでに、出番の終わった歌手たちが乗り込んでいました。しばらく行ってから信号待ちをしていると、むこうから血相を変えた外人が一人。いきなり、シルクセンター、シルクセンター、オペラ、オペラとわめくので、これは、県民ホールを目指しているのだなと解りました。会場の県民ホールはシルクセンターの隣ですから。声から察するに歌手に違いない。それで、彼が出番が終わったあとちょっと外出して、バスに乗り遅れそうになっているのだと思ったので、「ああバスに乗るのね」といったら「ノーノー、テノール、テノール」と言ったのです。そのときはぽかんとして、とにかく、行き方を教え、彼は走り去っていきました。そうか、自分はバス歌手ではなく、テノール歌手だと言ったのだとわかるまで、数秒かかりました。それから大笑い。ドイツ語で乗り物のバスはブスですね。ちょっと、言いにくい。

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